大岡信は私が卒業した学校の校歌の作詞者なので、今日の訃報はショックだったが、もっとショックなのは加川良の死だ。
十数年前の年末、テレビ朝日で「朝まで生つるべ」という特番が放送された。笑福亭鶴瓶のフリートークの間に、何名かの歌手が歌を歌うという、シンプルだが、とても見ごたえのある番組だった。
そこで最初に登場したのが加川良。1曲目が「教訓1」という歌だった。
「命はひとつ 人生は一回 だから命を捨てないようにネ」
こんな歌いだしで始まる歌。反戦歌だ。そしてサビが、
「青くなって尻込みなさい 逃げなさい 隠れなさい」
テロ等準備法など、軍靴の音が聞こえてくるような法律ができていく中、いざ戦争が起きたら、勇敢に戦うなんていう「カッコ悪い」ことは私はしない。青くなって、尻込んで、逃げて、隠れる。お国のためには少なくとも死なない。この歌にはそんなことを教えられた。
こんな時代だからこそみんな「教訓1」を聴いてほしい。そして加川良に合掌。