時事中年

〜デイリー・ジャポン〜

「CMのあともニュースを続けます」・・・ニュース番組でニュース以外のことを初めて取り上げた久米宏が持ち続けた信念とは?

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 「コマーシャルのあともニュースを続けます」という言い方で視聴者を引っ張る方法を見つけたのは「ニュースステーション」(テレビ朝日)で間違いない。

 
 ”視聴者を引っ張る”というイヤな言い方をしたが、メインキャスターの久米宏氏は確信犯的にこの言い方をしていた。のちに「爆笑問題の日曜サンデー」(TBSラジオ)で「あの番組で僕は『ここで視聴者を”ハラハラ”させようとか”ウルウル”させようとか”ドキドキ”させよう』とか、そればっかり考えてた」と発言している。テレビだから数字がすべてとも別なところで発言している。

 
 こんなドライな考え方だから、高視聴率をキープし続けられたんだろう。

 

 話がそれたが「コマーシャルのあともニュースを続けます」という言葉は視聴者を引っ張ることのみならず「ニュース以外のこともやってるよ」ということも意味する。
 
 思えばこの番組、歌手が出て歌ったり、夜桜中継、滝中継、最後の晩餐、特集と「ニュース以外」のことをたくさんやっていた。放送当時、まだ中学生だった私はこの「ニュース以外」が楽しいから見たこともないニュース番組を楽しみにして見ていたのだ。
 
 そして現在・・・変わってない。ニュースキャスター(といっても当たり障りのない局アナがほとんど)にコメンテーター(これも当たり障りがないことしか言わない)そして「ニュース以外」がグルメだったり、ひところはスズメバチの退治とか片付けられない女という、見たところで何も残らない映像を流している。
 
 こう書くと「ドキドキ、ハラハラさせる”久米理論”に従っているじゃないか」という反論があるだろう。しかし久米氏が夫人と出した著書「ミステリアスな結婚」で氏は「ニュースは権力のチェックをしなくてはならない。ニュースステーション当時もそれを考えていた」といったようなことを述べている。

 
 「テレビが権力のチェック」なんて今のキャスターはわからないだろう。視聴率至上主義者に思えた久米氏も根底には「権力のチェック」という信念があった。
 
 ニュース以外にばかり力を入れてると、「公正・中立」を馬鹿のひとつ覚えのように叫んでいる国会議員に足元をすくわれるよ。実際「ニュースステーション」を放送していたテレ朝の社長はNHKの当時の籾井会長と一緒に仲良く国会に行ったんだから。いくら非があったとはいえ、国会になんか金をもらっても行っちゃいけない。「じゃあ、テレビに出すから、言いたいことを言え。その代わり反論はする」ぐらい言わないと。

 
 でも人の善さそうな当たり障りのない局アナは何も言えないだろうなあ。「ラーメンおいしそうでしたね」とか「スズメバチ怖いですね」ぐらいしか。

 

ミステリアスな結婚

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